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Bar HEAVEN

お昼から開いている不思議なBar

懐の深〜い名物マスターが迎えてくれます

 

 

 

昼下がり、穏やかな時間がゆっくり流れる

 お昼過ぎ、南京町正門そばにあるビルのエレベーターで4階まで上がる。Bar HEAVENのドアを明けると、「よ〜」と片手を挙げて、田中マスターが笑顔で迎えてくれる。懐が深く、さりげなく気配りをしてくれる名物マスターだ。 8人ほど座れるバーカウンターがあり、棚には洋酒がぎっしりと並んでいる。広めの店内にはテーブル席も2つある。

 紛れもなくBarなのだが、敷居の高そうなオーセンティックバーとは明らかに違う。もっとゆる〜い穏やか空気と時間がゆったり流れている。大きな窓から差し込む陽光が室内にあるマスター愛用の寝椅子、家鴨型電気スタンド、パソコンなどに優しく降り注ぐ。

 「何にする? ハイボール?」 「じゃあ、1杯目はそれで」 成田一徹氏のBarを題材にした切り絵、黒田征太郎氏の抽象絵画などの他に、クルーズ客船や貨物船などのポスターや模型などが飾られている。これはマスターがかつて海事関係の新聞記者や、神戸市の外郭団体スタッフとして港の賑わい関係の仕事に奮闘していたからであり、港関係の常連客が多いのもここの特徴だ。豊富な知識を求めて新聞記者が取材にくることも…。

 

ミナト神戸の狂騒時代を懐かしむ

 コンテナの登場で様相が一変した神戸港だが、最盛期には艀、伝馬船、通船、曵き船、貨物船、貨客船などが港を埋め尽くし、外国船員たちがシンデレラ・リバティを楽しむために、馴染みの外人バーに繰り出していた。そんな活気と猥雑と狂騒に明け暮れた日々の記憶の残滓がこのBarには潜んでいる。雑多で無国籍でアナーキーでありながら、郷愁を誘う不思議な空間がここにある。

 「こんなBarって他にないよな」と感心しながらハイボールを飲む。しかもチャージ料200円(スナック付き)、洋酒500円〜と格安だ。仕事のことはしばし忘れ、ミナト神戸が最も神戸らしかった時代に想いを馳せてみるのも楽しいものだ。 ちなみに、Bar HEAVENでは、お客同士が交流を図る月例会が月2回開催されている。興味のある人は、マスターに訊いてみてほしい。(2011.08.20)

〒650-0244

神戸市中央区栄町通2-10-4アミーゴビル4F(南京町西門そば)

☎ 078-331-0558

平日 14:00〜21:00

土日祝 13:00〜19:00

月・火休チャージ200円(スナック付き)、洋酒500円〜

さよならパーティーの模様

BAR HEAVENは、マスターの体調不良につき、2012年11月23日、惜しまれながら閉店いたしました。 昼からハイボールが飲め、昔の神戸と波止場について知ることができる貴重なBarだっただけに、とても残念です。 田中マスター、ありがとうございました。 (takeuchi)

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