具体、海を渡る。
7月5日〜9月7日、芦屋市立美術博物館で開催されている「具体、海を渡る。」を観に行ってきた。この美術館を訪れるのは初めてだ。外観は幼稚園のようなカラフルでポップ。軽快なモダン建築である。それはともかく、具体がなぜ、いち早く海外で評価されたのか。その最大の謎がこの展覧会をみれば溶けるはずだ。
最近、神戸エリアでは、BBプラザ美術館で開催された堀尾貞治氏の「あたりまえのこと<今>」、元永貞治氏の「もーやんとえっちゃんの絵本原画展」など具体関係者の作品展が相次いでいる。これも2012年、国立新美術館で開催された「『具体』ーニッポンの前衛 18年の軌跡」展、2013年、NYグッゲンハイム美術館での「具体ーすばらしい遊び場所」展など、具体の世界的再評価の流れを汲んだ企画といえよう。だが今回の「具体、海を渡る。」によって、具体美術協会が結成された1954年の当時から、世界を視野に創作活動をしていたことを知り、その先見の明に唸ったものだ。