ライトの作品「旧山邑家住宅」(ヨドコウ迎賓館)
以前から訪れたいと思っていヨドコウ迎賓館(旧山村家住宅)。あの東京帝国ホテルや、グッゲンハイム美術館を設計したフランク・ロイド・ライトの設計である。日本でライトは6件設計しているが、住宅として唯一創建当時の姿を留めているのが、ここである。ラジオ出演中、ニュースでこ3年の保存工事を経て2月19日から公開されたことを知った私は、念願叶ってやっと20日に訪れることができた。
JR芦屋川から川沿いに登って徒歩約10分。傾斜地に4階建ての建物はあった。玄関の車寄せから有機的建築を標榜したライトらしさが際立つ。、大谷石に施された幾何学的な彫刻。これはライトの愛弟子・遠藤新田が設計した甲子園ホテルを彷彿とさせる。
中に入り、2回の応接間、3回の和室、書斎、寝室、4階の食堂などを見て回る。室内にもふんだんに大谷石が使われているほか、マホガニーの複雑な木組み装飾や、天井近くに作られた多くの通気口など、ライトらしさが随所に見られる。応接間の大きな窓やバルコニーから、芦屋川、阪神の街並さらには遠く大阪湾まで見渡せる眺望の素晴らしさを存分に味わうことができた。