滝道駅を知っていますか?
3月24日(金)から、こうべまちづくり会館で始まった「私たちのしらない昔の三ノ宮」展に、初日に出かけた。知り合いの写真家、永田収さんが昭和51年(1976年)の三ノ宮風景を写真で、景観作家、竹田眞さんが1932年(昭和7年)の「滝道駅」をCG作品を紹介していた。
永田さんの作品は拝見するたびにしみじみと共感。私と同じ視線の持ち主である永田さんをいつかきちんと論じたいと思っている。
一方の竹田さんには、今回、初めてお目にかかるが、作品をみて驚いた。まず三ノ宮にあった阪神電鉄「滝道駅」を存在を初めて知ったこと。さらにCG作品の見事なこと。当時の駅と電車、周辺の建物、看板などが陰影感たっぷりにリアルに再現されている。滝道駅は、今の神戸国際会館前にあり、大阪〜神戸線の終点だった。駅名は、布引の滝に通じる道にあることから付けられてもの。今のフラワーロードなのだが、滝道の方が風情があって好きだ。上の作品は、左が阪神電鉄「滝道駅」、右が神戸電気鉄道(後の神戸市電)の「滝道電停」であり、乗り換えに便利だ。だが、神戸市内の地下化の方針にともなって、1933年(昭和8年)、そごう神戸店の完成とともに地下に阪神三宮駅ができ、滝道駅はその使命を終えた。
こうした歴史の話を竹田さんから聞きながら作品を眺めていると、あこれれと想像し、飽きることがない。それにしても素晴らしい作品に出会えたものだ。