バンカートスタジオNYK
横浜の湾岸地区にあるバンカートスタジオNYKも横浜トリエンナーレ会場の一つである。外観を見ると一目で元倉庫であることがわかる。中に入ると高い天井に向けて力強くて無骨な柱が並び、年代を重ねた広い空間に作品が並んでいた。果たしてここは旧日本郵船の倉庫であった。年代を経た鉄骨の錆加減や柱の傷や落剥ぶりも、かえって過去の記憶を閉じ込める役目を果たしており、物語性を感じさせるに十分だった。
いまは使われなくなった倉庫の転用事例といえようが、これほど活発に、かつ有意義に使っている例はあまりないのではないかと思われる。スタッフも多くプログラムも充実している。別に、トリエンナーレ会期中でなくても、ここに来れば何らかのアート作品や演劇に出会えることができよう。底知れぬ横浜の実力ぶりを見た思いがした。