舞子ホテル
以前から気になっていた舞子ホテルに昨晩、訪れることができた。舞子ホテルは、大正8年に岐阜を拠点とする日下部汽船の迎賓館として建設されたもので、和館と洋館とからなる。京都華頂大学教授で建築史家の川島智生氏の講演によれば、煉瓦造で外壁にタイルが貼られている洋館は、セセッションやユーゲントシュティールを基調としていて、内部にはステンドグラスが巧みに使用されいている。一方の和館は、書院造を基調に一部が数寄屋造りの豪華なものだ。
このホテル、現在はウエディングやレストラン、宿泊に使われており、驚いたのは和館の廊下も部屋も靴のまま歩いていけることだ。何だか初めて日本家屋に、ルールを知らずに靴のまま足を踏み入れた西洋人のような変な気分がしてならなかった。
もう一つ、和館の内装に拝火教(ゾロアスター教)紀元のものがある。拝火教といえば死者を鳥に啄ませる鳥葬としても有名であり、川島教授はインドまで調べにいったそうだ。この拝火教をはじめ、円形校舎や円形病院などの話で盛り上がることができたのは、思わぬ収穫だった。