かやぶきの里 一斉放水
5月20日、かやぶきの里として有名な美山で、春の一斉放水が行われた。これは防火用放水銃の点検を目的とした防火講習であり、この日と12月1日の年に2回実施される。一斉放水を見学しようと全国各地から観光客たちカメラ片手にがわんさか押しかける。専用駐車場にはバスが40台以上。この日、約2000人もの人で膨れあがった。中国人団体旅行客の姿も見つけた。恐るべし、中国人。
定期期に防火講習が行われるようになったのは、2000年に美山民族資料館が不審火で焼失したのがきっかけらしい。実際に一斉放水を見るまでは、地元の消防団の人たちが、消火ホースを抱えて真剣な表情で放水するのかと想像していたら、見事にハズレ。村の各所に設置された自動放水装置がホースを回転させながら周囲に放水するのだった。人間の役目は、装置が納められた箱のふたを開けること。あとは、スイッチを押せば一斉に放水する。これなら火災の被害を最小限度に抑え、類焼も免れるだろう。かやぶきの里という超ノスタルジックな風景と、最新のハイテク機器の組み合わせは、少々シュールだが、必要なことだと納得。全国各地の文化財を火災から守る参考になるのではないか。そんな気がした。